「君って、変なとこあるよね」
「…俺?」
「うん」
雨が降り続ける日、急にそんなことを言われた。
「え、何急に?怖いんだけど」
「いや、別に…」
俯いて、足元の石ころを転がしながら唇を尖らせるソイツは、なんだかかくしごとをしているようにみえた。
「…ねえ」
「、なに」
手首を軽く掴むと、急な衝撃で驚いたのか肩をぴくりと震わせ、おそるおそるこちらを見る。
「なんか、隠し事してるんじゃない?」
ソイツは目を大きくして、石像みたいに動かなくなった。
「…そっちこそ、急に、何」
変な言い方をして、俺の手を振り払って睨みつけた。
「だって、いつものお前じゃないから」
「…なんだよ、いつものって」
ほんとだ。本当に、今日は調子がおかしい。
いつもだったら、ふざけて肩叩いて笑うような奴なのに。
じゃあ、なんで?
考えるのもめんどくさい。
勉強以外にはできるかぎり頭使いたくない。
それなのに
「…またこんどでもい?」
「は?」
財布をとりだして、近くに刺さっているビニール傘をとりだすと、びっくりした顔をして覗き込んできた。
「だから、また今度でもいっかって」
「…なんの話かしんないけど、別に良いよ」
傘を開く
「じゃ、かえろーぜ」
まあ、俺とお前なら、なんとかなるよね
どーにかなるでしょ
4/11/2025, 12:18:52 PM