止まない雨はないと言うけれど(テーマ 物憂げな空)
人生がうまく行かない。
「 いつか、いいことあるよ。」
そう言っていた人は、とっとと会社を辞めていった。
( いつかって、いつさ。)
曇り空は、いつまでも晴れない。
*
我慢を、続けてきた。
遊びたいのを我慢して勉強。
友達と旅行に行くのをキャンセルして、幼い弟の面倒を見た。
社会人になってからは、思い切り休みたいのを我慢して、休日出勤。
30になる頃から、両親から結婚について催促され始める。
( いや、結婚なんてしたら、それこそ死ぬまで我慢しないといけないじゃないか。)
特に好きでもない人と家庭を築き、その家庭を守るためにまた身を粉にして働く。
我慢我慢我慢。
人生は我慢でできている。
一方で、人に我慢させて自分が好きなようにする人もいる。
一度しかない人生だから、と、彼らは言う。
( 我慢させられている我々も、一度しかない人生なんだけど。)
彼らに、逆にこちらに付き合って我慢するように言うと、ひどく驚いた、鳩が豆鉄砲食らったような、あるいは実に嫌な顔をする。
彼らは、自分が我慢することは、許容出来ないのだ。
ただ、そんな私達が、子どもや後輩や部下を持ったとして、我慢以外を教えられる気がしない。
我慢の再生産だ。
我慢して苦しみながら、この物憂げな空を見上げる人種を増やしてしまうのである。
(結婚せず、子どももいないことの、唯一の救いがこれだ。我慢の再生産を止められる。)
いつか、晴れた空を見ることがあれば、結婚しなかったことを後悔するだろうか。
(余裕がない今は、空の色すらまともに見れていない。)
2/25/2024, 2:45:59 PM