とある恋人たちの日常。

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 この都市に来てそれなりに時間が経った。
 仕事も順調で、都市の人たちとの仲も良い。
 誰よりも大切な人も出来た。
 
 そういう意味ではとても充実している。
 
 でも、いつかは俺もここから旅立つ日が来るのかもしれない。
 悪い意味かもしれないし、成長するために離れるかもしれない。
 
 俺は天を仰ぐ。
 俺の職場はビルの合間にあって、その高いビルの高層階と真っ青な空が視界に拡がっていた。
 
 自然と深い息をつく。
 
 もしそうなった時に、彼女はどうするのかな?
 一緒に来てくれるかな?
 
 俺はもう一度ため息をついた。
 
 違うや。
 俺が勇気を出せばいいんだ。
 
 一緒に来てくれと。
 離れたくないんだと。
 
 君と一緒に旅立ちたいのだと。
 
 
 
おわり
 
 
 
四六二、君と飛び立つ

8/21/2025, 11:55:45 AM