前回投稿分からの続き物。
最近最近の都内某所、某本物の稲荷狐が住まう稲荷神社に、まだまだ小ちゃなガキんちょの末っ子子狐がおりまして、
前回投稿分でコンコン子狐は、近所のアパートの雪国出身者から、美味しい春の山菜を貰ったところ。
特に苦味やエグみがほとんど無いタケノコは、コリコリしていてとっても大好き!
油揚げと一緒に炒めても美味しいし、
白米と一緒に炊いても美味しいし、
なにより、お肉とも相性が良いのです。
ところでそんな万能食材、こりこりタケノコを前回投稿分で、コンコン子狐、貰いまして、
もう尻尾ブンブンのビタンビタン、大喜びです。
さっそく優しくて大好きな、人間のお姉ちゃんのところへタケノコ持って、
とってって、ちってって、向かうのです。
近所のアパートの雪国出身者さんと一緒に!
「なぜ私まで?」
「いっしょがいい」
「だから、なぜ、私も一緒が良いんだ?」
「だって、いっしょがいい」
「んん……??」
子狐の自信満々の返答に、首を傾ける雪国出身者。
言葉にできないモヤモヤ感です。
雪の人は名前を、藤森と言いました。
さて。
稲荷狐の秘術でもって、どこ●もドアならぬどこでも黒穴を抜けまして、
コンコン子狐は雪国さん・藤森を引っ連れて、人間のお嬢さんのところへ向かいます。
お嬢さんは、子狐が稲荷狐の修行でお世話になっている、公的機関のお嬢さん。
ビジネスネームを、ドワーフホトといいます。
コンコン子狐はドワーフホトのお嬢さんが、とっても大好き。だって、すごく優しいのです。
そしてコンコン子狐は、藤森のことも、とっても大好きでした。だって藤森も、すごく優しいのです。
子狐は藤森と、ドワーフホトと、それからドワーフホトの親友と一緒に、みんなで、美味しいタケノコ料理を堪能したかったのです
が。
『お仕事が入っちゃって、留守だよぉー』
ドワーフホトの職場に子狐が到着しますと、
お嬢さんが居るであろう収蔵庫にはロックが為されて、入ることができません!
大事な用事ができてしまって、お嬢さんはあと20分ほど、帰ってこないとのことでした。
『20分、中で待ってるなら、カギ開けるよぉ〜』
さぁさぁ、どうぞ。
お嬢さんの部屋の番人、ドワーフホトによく似せてつくられた電子生命が指パッチン。
収蔵庫のロックを開けて、子狐と藤森をすんなりと、招き入れました。
「入れてしまって、良いのか?」
『いいのぉ〜』
「ホトさんに、事前許可とか、そういうのは」
『いいのぉ〜』
「んん……」
電子生命お嬢さんの自信満々な返答に、またも首を傾ける雪国出身者・藤森。
言葉にできない不思議です。
そんな藤森を置いてけぼりに、子狐と電子門番のおはなしは、勝手に進みます。
「おねーちゃんに、タケノコりょーり、つくる!」
『タケノコ〜!春だねー』
「こっそり作れば、おねーちゃん、びっくり!」
『ボク、レシピデータベース、探せるよぉ。
タケノコ料理、見てみるぅ?』
「れしぴ。れしぴ」
あれー。なんだろこの古いデータ。
なんだそれ。なんだそれ。
コンコン子狐は大きいモニターの中の、電子のお嬢さんと一緒に、その日のタケノコ料理を考えている最中の様子。
ただただ、子狐に勝手に連れてこられた藤森だけが、お題どおり、言葉にできないモニョモニョを数秒抱えておったのでした。
4/12/2026, 6:56:53 AM