「初めて学校をサボった日」
初めて学校をサボった。
近所の小学校から、運動会のリハーサルの音が聞こえてくる。
窓もカーテンも閉めた部屋のベッド。
布団を頭からかぶっても聞こえてきて、息が詰まりそうになる。
一番落ち着く場所にひとり。
普段は安らげる空間。
外界の様子なんて、知りたくないのに。
眠ってしまえばいいのかもしれない。
だけど、こういうときに限ってなぜか眠れない。
急かされるメロディーが頭の中にこびり付いて離れなくなりそうだ。
こんなことなら、這ってでも学校に行けばよかったのだろうか。
何も知らない頃に戻れたらいいのに。
明日なんて来なければいいのに。
アップテンポな曲に合わせて、まわる。
胎児のように体を丸めて、嵐のような音が通り過ぎるのを待っている。
────天国と地獄
5/27/2024, 2:02:41 PM