「優しい嘘」
「貴方なんて、大嫌い」
初めて貴方についた、嘘。
貴方の気持ちが、既に彼女に移ってる事は知ってる。
でも、優しい貴方は、私に言い出せない。
だから、私から言い出さなければ、きっとこのままで何となく居られる。
でも、それで私の悲しみは癒される?
貴方の心は、ここにないのに?
貴方も、彼女も、私も、誰一人幸せになれないのに?
貴方と、笑い合いたかった。
貴方と歩みたかった。
貴方と、時間を紡ぎたかった。
でも、それは2人の心がここにあるからで。
心もないのに、そんな事をしても、ただただ辛くなるだけ。
実際に目の前に貴方が居ない寂しさと、目の前に貴方が居るからこその寂しさと。
一体どちらがより寂しいのだろうか。辛いのだろうか。
でも、もしかしたら。
又一緒の時間を過ごす内に元に戻れるかも、とか。
色んな事をつらつらと考えて。
そして出した私の答え。
私は、人の気持ちを大事に出来ない人にはなりたくない。
自分の好きな人を、苦しめる人にはなりたくない。
「頑張ったね」って、自分を褒められる自分で居たい。
そして何より。
貴方に幸せで居て欲しい。
貴方に、笑顔で居て欲しい。
だって、貴方が大好きだから。
だから。
「貴方なんて大嫌い。」
心おきなく彼女の所に行って。
私から別れを言い出したんだから、気にしないで。
彼女の元に行って、心からの笑顔を見せて。
ねぇ。
貴方はいつも笑っていて。
私は、その笑顔に何度も救われたのだから。
貴方はいつも幸せで居て。
私は、貴方に幸せを沢山貰ったから。
私は、貴方の優しさに、沢山の事を教わったから。
だから、私に出来るただ一つの事。
優しい貴方の為に、優しい嘘をつかせて。
1/24/2025, 11:03:42 AM