よつば666

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お題『あなたへの贈り物』

 すっかり体調が良くなった船星(ふなぼし)はお気に入りのアロマキャンドルの残量が少なくなってきたので、電車で2駅離れた場所にある。小さなアロマ店を訪れていた。
騒がしくない小鳥の囀りの音が流れる店内BGM、それに合わせて心地よいハーブの香りに包まれる店内は船星にとって癒しの店である。男性店員が船星に声を掛けた。

男性店員「久しぶりダネ。わたーる君元気だったカイ?」

男性店員ことモンターナさんはこのお店の店長さんであり植物学者でもある。

船星「まぁ……数日間体調が優れなかったんですが、ようやく元気になりました」

モンターナ「それは良かっタ。もし君さえ良ければ店の奥でハーブティーを飲んでいかないカ?今日、新作の商品ブレンドティーを発売したばかりなんダ」

船星は笑顔で答える。

船星「あとで頂きます。先に商品を見てもいいですか?」

モンターナ「あぁ、すまない。何やら急がせてしまったようダネ。ゆっくりと見てクレ、会計ならレジ横のベルを鳴らしてもらえると助かるヨ。ではあとで」

モンターナは手を振り店の奥へ戻っていく。船星はお気にりの森林の香りを手にした。ついでに店内に並べられた他の商品を見て回る。そしてアンティー調の天使がハート型の器を両手で持ち空へ掲げているようなキャンドルボルダーを発見した。

船星「これ、買っていこうかな。部屋に飾ってもよさそう」

船星は見つけた天使のキャンドルボルダーと先ほど手にした森林の香りのアロマキャンドルを持ってレジに向かう。ベルを鳴らすと店長のモンターナが駆け足でやって来て会計をし始めた。会計を済ませると、天使のキャンドルホルダーを破れないように新聞紙で梱包し、小さな紙袋にアロマと一緒にまとめて入れてくれた。そして店の奥で店長が調合したハーブティーを飲んでいるとモンターナは戸棚からブレンドハーブティーの茶葉が入った小さめの缶を船星へ手渡す。

モンターナ「これはあなた(わたーる君)へ贈り物だよ」

船星「え?頂いても良いのですか?」

頷くモンターナは続けて。

モンターナ「勿論。遠慮しないデ。なんたって新商品発売記念だからネ!!」

親指を立て船星に向けてウインクをするのだった。

End

1/23/2025, 4:07:36 AM