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君と出逢って、(オリジナル)

世界には、自分と同じ顔の人間が3人いるという。
僕はまさしく、その人と出逢った。
全くの偶然だった。
街を歩いていて、向こうから歩いてきたのが彼だった。
最初、鏡を見ているのかと思った。
しかし、服装は違っているので違うと気づく。
次に、生き別れの双子でもいただろうか、と思う。
しかし、取得したことのある戸籍にはそのような記述はなかったと思い出す。
驚いている僕に気づいたのか、彼と目が合った。
お互いに、あっ、という声が出る。
顔以外に、背格好も、髪型も、空気感も似ていた。

世界には不思議な事があるものだ。
僕はあまり運命とか非科学的な事を信じるたちではなかったけれど、この一瞬の奇跡の邂逅によって、全く信じる立場に宗旨替えする羽目になった。

というのも、彼と目が合った瞬間、暴走した車が車道に乗り上げ、彼が跳ね飛ばされたからである。

ドッペルゲンガーを見た者は死ぬという。

(僕がドッペルゲンガーだったのか)

世界がひっくり返るほどの衝撃だった。
けれど、生き残る側であった事は幸いだった。
救急車とパトカーのサイレンが鳴り響くなか、僕はヨロヨロとその場を後にしたのだった。

5/5/2026, 3:23:59 PM