るに

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ある所に
物好きな旅人がいた。
魔法使いは皆、
己の身一つで飛べるのに
ほうきにまたがって
空を飛ぶ旅人。
それが私。
育ちの村でほうきを使って飛ぶ
風習があったとかではないけれど、
絵本の中の魔法使いは
皆ほうきで空を飛んでいた。
幼い頃憧れたものに
今でもなってみたいと思ったから
私はほうきにまたがる。
故郷にサヨナラと別れを告げて
空へ飛んでいく。
高く昇っていく。
見下ろした街は灯りが灯っていて、
星が転がってるみたい。
ほうきは風に乗って飛んでいく。
少し遠くに見える海は黒く青く、
冷たい風で揺れている。
大きなブルームーンが
私の旅路を示してくれる。
地上で休憩を挟み、
また空を飛んでいく。
草原を切り開いたような
明日さえ見えるような気がしてくる
開けきった道は
どこまでも続いていた。
空は夕日で溶けて桃色になっていたし、
朝焼けで山はいつもと違う
赤色を見せてくれた。
途中、
何人もの魔法使いに
ほうきで飛ぶなんて、と
驚かれたし、理由を聞かれまくった。
それでも私が
のんびりと旅をする道は
風が強く吹こうとも
ずっと続いていた。
"Good Midnight!"
絵本で見た魔法使いみたいな
素敵な魔法を使う人に、
魔法を熟知し使いこなせる人になる道は
ずっと。

4/29/2026, 4:04:37 PM