風の噂であの子が結婚したと聞いた。僕では幸せに出来なかったあの子が、どこかの誰かのものになったのだ。嗚呼、喜ばしいのに涙が止まらない。嬉し涙、いいやこれは。いっそ知りたくなかったこれは。風の噂に振り回される僕と君。「あなた、起きて、あなた」ハッと目が覚める。隣にはあの子、ならぬお前がいるではないか。「酷い汗、魘されていたから起こしましたよ」「嗚呼、起こしてくれてありがとう」夢から覚めた現実ごと、お前をぎゅっと抱き締めた。
1/17/2025, 10:41:40 PM