「…ん、今日はコーヒーじゃないの?」
「うん。今日は紅茶を入れてみたんだ。まだ僕も試してないから2人で飲みたいなあって。」
「そっかあ」
優しい香りがする。お気に入りのマグカップに紅茶が漂っている。
「いただきます」
「どーぞー」
甘い。少しふわふわする気分になる。
「美味しい。」
「ね!これからどうする?コーヒーと紅茶どっちがいい?」
「うーん…交互に飲みたいなあ。だから明日はコーヒーがいいな」
「了解です!あ、でも豆切らしちゃったから今から買いに行かない?」
「うん!行こっか」
白杖を持って、彼の手を掴み、外へ出る。
紅茶の甘い香りが、外の澄んだ空気でより強くなった。
「行こう」
彼も今日は、私に〝香り〟を楽しませてくれる。
10/27/2023, 11:18:08 AM