いい夜を

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貴方は眩しい人でした。


自信に満ちた笑顔で、目はギラギラと輝いており、その斬新なアイデアで常に周りを驚かせてきました。


世間は貴方のような人のことを、「天才」と呼ぶのでしょう。


そんな貴方に憧れて、この職に就いた者も数多くいると伺いました。


ええ、私もその一人でございます。


しかし、私が最も惹かれたのは、貴方の功績や才能ではなく、その突き抜けた明るさでした。


私は昔から暗い性格で、友人なんてものはいませんでした。


だからでしょう、多くの人に囲まれ、笑顔で語り合う貴方に強く憧れたのは。


その様子こそ、私の理想でした。


ただ、貴方は私が思ったような、明るい人ではありませんでした。


貴方の元で働くようになってから、気づいたのです。


その明るさは、いわば虚構。


貴方の中には、常にドス黒い何かが渦巻いておりました。


そのせいで、貴方は時折壊れてしまう。


その度に、私に縋ったり、距離を置いたり、時には八つ当たりとも言えることもしてきました。


常に瞳孔が開き、指先を震わせながら笑う貴方を間近で見て、私は察しました。


貴方の笑顔は、蓋だったのでしょう。


ただ、それももう限界に近い。


私が来た時、貴方は心底安心したでしょう。


貴方のことを人一倍慕っている私も、貴方の秘密を、後ろめたいことを、一緒に隠してくれるだろうと。


これでまだ、耐えられると。


ええ、そうです。


私は貴方の味方です。


喜んでお手伝いいたしましょう。


そんな申し訳なさそうな顔をしないでください。


大丈夫です。


太陽のような姿も、無様に私に泣きつく姿も、


どちらも私の、理想の貴方ですから。

5/20/2026, 5:20:45 PM