NoName

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 暗い世界を見上げて、思う。
 逝ってしまったなぁ、と。
 あまりにも唐突で、どうしてなのかと考えもするけれど、それに意味はないし、答えもありはしないのだろう。

 君の笑った顔が好きだった。
 そこに花が咲き乱れるような、そんな笑顔だった。
 君を中心に誰もが笑っていて、そんな君と家族になれたのがとても嬉しかった。
 君が咲かせる花を、君と一緒に守り続けて行きたかった。
 約束を違えはしない、僕は、泣かないよ。
 どれだけ悲しくても、苦しくても、辛くても、泣かないと誓う。


 だから、君ももう泣かないでほしい。
 君には笑顔が似合うし、君の周りにはまだまだたくさん、君を支えてくれる人がいる。
 だから、君はどうか笑ってほしい、いつか笑える日が来たらで構わないから。
 また、その花を咲かせてほしい。

 君を置いて逝ってしまう、僕からの最後の願いだ。
 だからどうかもう、僕のために泣かないでおくれ。
 僕に会えて良かったと、笑っておくれ。
 ……ごめんね。

3/17/2023, 3:46:52 PM