祈りの果て
折れてない折れてないという祈りの果てに、結局は骨折していた。
そんなおりに「祈ると折れるって似てるね」と言われたのでちょっとキレた。これは仕方ないと思う。
でも俺は知っている。お前が一番心配してるってことを。
さり気なく俺の荷物を持って移動教室を始めるお前に、「速い」って文句を言いながら松葉杖をつくんだ。
そしたらお前はこう言う
「早く出発しないと授業に間に合わないだろ」
好きじゃない、好きじゃないとずっと祈っていた。初めて会ったその時にお前だけはダメだって思ってたから。
「笑うなよ、俺が大変だってときに」
「は〜? 八つ当たりキツくね?」
止めて、その笑顔を向けるなよ。
祈りの果てに、俺はきっとまた恋に落ちた。
11/13/2025, 11:49:06 AM