るに

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森の匂い。
木々がお生い茂り、
辺りは緑で埋め尽くされていた。
人は私しかいないのでは無いか。
毎日そう思ってしまう。
ずっと言い聞かせるのだ。
もっと東か西の方では
人がわんさかいて、
街も栄えていると。
希望を失ってしまっては
生きる意味すら失ってしまう。
歩き続けてもずっと森。
木ばかりなのに
食べ物は見つけてしまう。
雨も定期的に降ってしまう。
生きてしまう。
そこら辺にいる木に問いかける。
好きな食べ物は何?
鳥ってどんな生き物だと思う?
花ってさ、君らと何か違うところあった?
当然何も返ってはこない。
歩いて歩いて、
たどり着いた世界の果てには
食べ物が無くて、雨も降らない。
ただただ
空が青いだけだった。
"Good Midnight!"
これでもう
生きることすら
できなくなっちゃったなぁ。
誰もいない静かな終わり。
私はどこか懐かしい風景と
見たことの無い動植物に囲まれながら
静かに目を瞑った。

12/29/2025, 7:42:40 PM