胸糞悪い長文↓
今が朝か夜かは分からない。
シャワーの音がしていた。
扉が閉まったような気がして目が覚める。起き上がるには身体がひたすら鉛のように重かった。
胸元には真新しいやけどの跡と噛み跡がある。特に感傷もなくじくじくと痛む傷をさするだけ。
やっとベッドから降りると毛布が落ちて、同時に昨日まで着ていた散らかった衣服が目に入る。チェストには、いつもと同様に、有名メーカーが仕立て上げた衣服が畳んでおいてあった。
あの男はビリビリに破いてから自分が購入した服を私に着せたがる。遠くで自分の選んだ服を着ている女を見てニヤつくのだろう。
意識が抜けたまま、未だに湿気のこもるシャワー室に続いて入る。体のあちこちの傷がしみるのでぬるい温度でさっと済ませた。股からいやな感触のものがどろりと落ちていく。
心は乱され限界ギリギリまで自我を奪われて破壊されていく。こんな生活、いつまで続くんだろう。
完全に油断していた。
浴室を出て、ほとんど半裸のまま部屋に戻ったが、もう1人の気配を察することができなかった。
「あ…」
謝るとかこの部屋から逃げ出すとか行動する概念がなかったといえる。
昨日のやつよりもさらに大柄で陰気臭い、髪の長い男。影響力のある華族…。私を見咎めて大股でやってくる。
「昨日サシェゼとしたのか」
喉の奥がひゅ、と呼吸が逃げていく。いつもの怯えを噛み殺す癖が出てしまった。
長髪の男がベッドをちらりと探したのを見た。途端に内臓が凍りつき、足がすくむ。
「かわいそうに。傷だらけだ」
出る言葉は優しい。
だけどこの男はそんな考えは毛頭にない。私の身体には、薄布からも透けて見えるほどにいくつもの昨日の蛮行が散っている。
強引に手を引き、先ほどまで眠っていたベッドに押し倒される。
途端にがたがたと身体が震えだした。男はまるで事務作業のように服を開き、全裸を空気に晒す。
「こんなにしたのか」
まるで子どものいたずらの成長をみるように、私の小さな乳房をゴツゴツした手が撫でる。
冷水で固まった身体は、きっと触り心地も良くないだろうに。熱い手のひらがそっと触れていく。
昨日の男は、本当はこれが正しいのだとでもいうように我が物のように乱暴に揉みしだいていくのに、こんなにそっと触れられたのは初めてだ。
だが心地よいとかはない。
「ひ…」
熱い舌が鎖骨と胸元を辿っていく。寝転びほとんど丘にもなっていない胸をゆっくりと唇で遊び、両胸を寄せては匂いを嗅いでいる。
そして火傷の跡を強い舌がなぞる。目の前で凶器をちらつかされているような恐怖だった。
少し抵抗してしまった。両手で押しのけるように長いクセの強い髪をどかした時。
「や…や!!」
普段口数の少ない男がいっきり伸し掛かり、両手を拘束し、小さな胸を唇に含み始めた。
「や…いやぁ…」
「そんな声も出るんだな」
アイツといるときはひたすら唇を血が滲むほど噛んで声を噛み殺しているのに?
ガクガクと震える身体を温めるように、男の手のひらは腹を撫で臀部をなで、恥部を撫でていく。
「かわいそうにな」
身体中の傷をひたすら舐めていく。
「アイツが戻ってくる…戻ってくるから、もう、やめて…」
蚊の鳴くような声で訴える。昨日の男が戻ってきたら、ただでは済まない。
「来ない。あいつは、こない」
腹を唇でたどり、刃傷の絶えない太ももに手が伸びていく。
「だってさっきまで浴室を使って…」
さっきまでシャワー室の音がしていた。いつ戻ってきてもおかしくない。どんな目に合わせられるか分からない。逆上して殴られて意識が飛んで、裸で放りだされたこともある。恐ろしい。
「違うよ」
それは雨の音。ひっとまた声が出てしまった。
外ではすすり泣くような霧雨が舞っている。
「だから来ない。さぁ見せて」
拘束は解けて、熱い手の平は身体中を愛撫している。
さぁ聞かせろ、媚びて屈するその声を。
長い髪の隙間から真紅の瞳が言っている。
震える足を割って大きな男の身体が仕留めに掛かってきた。
ところにより雨
3/25/2026, 6:16:14 AM