今夜は雨。
星の見えない夜空。
空は漆黒で、厚い雲に覆われている。
何となく、この星が天体から隔離されて、孤立した惑星となってしまったような感覚。
本当は、数えきれないほどの星達のうちのひとつなのに。
孤立した惑星は、消えた星図を探し求める。
朝が来れば、この雲が晴れて、隔壁が取り除かれるだろう。
だがそこに、もはや星達の姿は見えない。
確かにそこにあるのに。
まばゆい太陽の光にかき消されて、その存在を幻のように潜めてしまう。
明日の夜は、雲のない星空に出会えるだろうか。
東京の空に見える星の数は少ない。
それでも、一番星を見つけようとする気持ちを失くさずに、仕事帰り、歩道橋の上で立ち止まって空を見上げよう。
この惑星が孤立していないことを思い出すために。
消えた星図がそこに広がっていることを確かめるために。
10/16/2025, 9:47:25 PM