『学校の放課後、実行。』
スマホなどの技術が発達している中、
僕達は手紙でやり取りしている。
…毎回こんな短さなので、手紙というよりメモだろう。
心の中、1人ツッコミを入れつつ屋上へ向かう。
今日も彼女のところへ。
今日は実行日なのだ。
「遅いぞササキ、珍しいな。」
屋上へのドアを開けた時、開口一番にその
セリフを言ったのがメモの送り主だ。
「ごめんごめん、よりにもよって今日、
日直だったんだよー。」
余計な言い訳だったのか、ムスッとした顔を見せる。
これはいけないぞと話を変える。
「ところで今日はどこでやるの?」
「最高のプランを用意したぞ!」
聞いて欲しかったのか、明らかに機嫌が良くなった。
説明が長く早口だったために、ところどころ聞き取れなかった。ただ、その最高のプランとやらをまとめると、
①ゲーセンで遊ぶ
②コンビニで買い食いをする(公園でも可)
③夜中の学校に忍び込む
④屋上で夜食を食べる
…といったものだ。ご覧の通り、実行と言ってもただの遊びなのだ。内容に関しては、ちょっとやんちゃな生徒みたいだ。こういったものが青春と呼ぶのだろうか。
いや、もしかして後半2つは犯罪なのかもしれない。
いや犯罪だけど、青春の楽しさの犠牲になってもらおう
などと考えているうちに、大きな声が僕の耳を貫いた。
「おいササキ!またボーッとしてるな!!」
早く行くぞと言わんばかりに手を繋いでくる。
まるで年下の子供のようだと笑いながらも、
彼女について行く。
痣だらけの手を引っ張ってくれるのは彼女だけなのだ。
、心の灯火
9/2/2024, 5:03:57 PM