また袋小路だ。
今年で三回目の入院で、白い無機質なベッドに寝転がりながら、そんなことを思った。
私は、迷路は苦手だった。
考えているうちに、知識と感情と思考がごっちゃごちゃになって、どこにも辿り着けなくなってしまう。
右を見ても左を見ても前を見ても、あるのは壁ばかりで、そのうちどこまで来たのかもどこから来たのかもわからなくなる。
私が私である限り、正しいゴールに近づくのは不可能に思えてくる。
私がこの世にいる意味もわからなくなって、袋小路に迷い込む。
そうして退路も何もかもわからなくなって、ぐちゃぐちゃの思考のまま、私はとんでもない間違いを犯してしまうのだった。
こうして、私は精神病棟に戻ってくる。
袋小路だ。
私は私の心の迷路が壊滅的に下手なのだ。
窓の外からは穏やかな空が見える。
真っ青に冴えて、正しい空が広がっている。
私の心は、心の迷路の中から見上げる、狭苦しい空しか知らない。
私の心の中、私の思考が、あの大きくどこまでも広い空を見ることができるのは、いつになるのだろうか。
青い空は清々しく広大に広がっている。
私はベッドの中でそれを見る。
青空が本当に私が見たいものなのか、わからなくなりながら。
11/12/2025, 10:42:27 PM