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心と心の間で、愛してるって意味を、進め自分と言い換えた時、文学が生まれる。
クロールをした時の息継ぎみたいに、肺は空気を欲しがっている。
水の中、泡、推進力。バタ足の、足のつかない深さの二十五メートルプールは、人生に似ている。
早く泳げる人は羨ましい。
バタバタしている、白鳥のような私。
オリンピック選手みたいな、背筋と、大胸筋と、三角筋を持ち合わせた彼。
高みから見下ろす様は、なんて涼しかろ。
飛び込み台から、すらりと音もなく着水する皮膚呼吸の君。
水面に顔を出す。息継ぎをする。
私はいつも、羨ましいって言っているけど、それって君が美しすぎるせいだよ。
そんなこと、口に出したこともないけど!
なぜ、この世界に美しさと醜さがあるか、それは花にも美醜があるように、私たちが誰かに愛でられるために、生まれてきたから。
貴賎があるのは、それがぐずっている子供みたいに、笑い方を知らないから。
そう、富の格差が生まれるのは、それが世界の有り様だから。
でも、だからって、プールの縁を蹴破るぐらい、足で蹴って水の中をゆく事はできる。

12/12/2023, 10:17:48 AM