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特段嫌いでは無い。
妙に熱を帯びた視線をこちらに向け、ゆっくり私の分けた前髪を少しぎこちなく耳にかける
今からする事への許可を取るように目線を合わせ私も拒否するつもりがない事を目で伝える
触れた瞬間ではなく間が空いて唇に感覚が伝わり多幸感に包まれる
目を開けていいものか唇は乾燥していないか余計な事を考えながらも直接的な愛情表現に酔い、思考が纏まらなくなる
向きを変え、たまに離れて呼吸を整えながら相手の顔も伺う


歯の羅列を舌でなぞられ上顎の敏感な所を刺激される
舌を絡ませ、悩ましい声を自分の頭の中で反芻し気が狂いそうになる
異性の分厚い舌を健気に受け止め、口いっぱいに愛しい人を感じる
なんて官能的且つ単純な幸福なのだろう
私はそれが嫌いでは無い

2/5/2024, 6:02:56 AM