3つかぞえて

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 私は布を切るのが好きだった。あなたの肩に馴染んできたスーツを切ったときには、瞬きひとつできなかった。私は身包み剥がされたあなたを大きな通りへ放り出した。
 幸い、あなたには家族がいなかったので、誰にも経済的に迷惑をかけることはなかった。

 あなたにはこの生活が似合うのよ。鉄格子の中での質素な暮らし。3食飯付きで暖かい毛布もある、とても快適な暮らし。私はそんな親切で素敵な空間を貴方にあげたの。

 でもこれで、あなたにはもうしばらく会えなくなってしまった。そう気づいた途端、私は切なさから居ても立っても居られなくなって、あなた宛に手紙を書いた。けっこう、優しさを込めたつもり。

 ーまた移居できる時期がきたら、できるだけ早く私のもとへ帰ってきてほしいです。家の鍵は空けておきますので。
 P.S. 車のナンバーをあなたの逮捕日に変更しました。私の家を訪れる際の目印にしてください。

1/27/2023, 10:52:42 AM