『一輪の花』
ライターで火を付けると、勢いよく燃え上がり
キラキラとした火花が弾ける。
花火を見つめる君の目は火花が反射してキラキラしている。
夜中暇だったからこの友人を叩き起して
河川敷で花火をすることにした。
偶然昨年出来なかった花火セットを持っていた。
やるからには安全大事にとバケツと場所選びをしてくれた君。
なんだか君の方が楽しみだったんじゃない?
なんてからかい混じりで聞くと、
お前はすぐ危なっかしいことするからだ。
と河川敷の水を汲みながら君は答えた。
なんだかんだ面倒見のいい君に甘えてる。
君がいいと言ったんだから君を信じてるだけ。
「ねえ、これもやるの?」
花火を見つめながらぼーっとしていると君は
打ち上げ花火を持ってまさかと言う顔でこちらを見ている。
「やんなきゃ花火って言わないでしょ?」
火をつけて少しすると打ち上がった花火が小さく弾けた。
真っ暗な空に打ち上がった花は乾いた空に散り際を響かせた。
語り部シルヴァ
2/24/2025, 10:52:20 AM