季衣

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その中に、私はいたのかな。



高2になった春、
私の隣の席に座っていた君。
文系クラスなのに、何故か英語が不得意で、
物理が得意な君



誰に対しても優しくて、
でも遅刻癖があって
遅刻してもあまり怒られない、
憎めないキャラだった君

さり気なく、
高い場所のものを取ってくれたり
重いものを運んでくれたり

「ごめんね」というと
「ありがとうでいいんだよ」と
ぶっきらぼうに言ってたね



高2の冬、
北海道のスキー体験の修学旅行
君がゲレンデを滑るのを、
雪だるまを作りながら見ていた私。

高3の春、私が入院した時は
友達と一緒にお見舞いに来てくれたね
友達が気を使って2人きりにしてくれても
「○○先生がさー」とか
「試験赤点かも」とか、
高校にいるような会話を
病院のロビーでしてくれた君。

あの時、これ俺好きなんだ、と
持ってきてくれたワッフル、
私もあのお店が大好きになったよ

退院して高校に戻った夏休み明け
別のクラスになっていた君が
「やっと来たか」って言ってくれた時、
泣くのを我慢した私をほめてよ

だって、その時には君の隣に
かわいい系の女の子がいたから


私の恋心は儚く散ったけど
高2の1年だけは、
君のとなりにいれたって
君の見た景色の中にいたって
思ってもいいかな




「君が見た景色」

8/14/2025, 2:48:27 PM