「まだ外せないのか。」
「ああ、たぶん一生な。」
黒ではない。しかし白であると言いきれない。
薬指の誓いに縛られているのは自分だけなのか。
そうだとしたらそれはとても悲しいし何より癪だ。
「そうかい。なら一生待つまでだ。」
「待て、なんか出来ないだろ。あんたは。」
「はは、良くわかってら。」
「最低の奴だな。」
「お前さんもな。」
最低な人間には最低な人間がお似合いか。
そうだな。少なくともこの屑野郎と一緒に過ごす時間はとても気が楽だし空いた何かを塞いでくれる。
子供にだって理解できるくらいの善悪の
悪の方に染まってしまった体はもう戻れない。
「いざとなったら全部俺のせいにすればいいんだよ。
こいつに唆されたってな。なあ、俺って善い奴だろ?」
「そんなわけにいかない。俺もお前も同罪だ。」
「優しいじゃねえの。しかしな。」
理解のあるふりをするな。お前の中に善性を見付けたくないんだ。
「お前と俺と同罪なわけがあるか。」
知ってるさ。
善悪
4/27/2024, 8:50:00 AM