彗星

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題:光の世界

 星に身を委ねて。
 目を閉じれば、星が一層光を増して、私は星に包まれた。

✧ ✧ ✧

 今日は新月でした。
 私は生まれたときから、ある使命がありました。
 それは、星に身を捧げ、人々の安寧を護るというものでした。
「……さようなら」
 家族に聞こえない別れを告げ、私は夜道を歩きました。
 着いたのは、ママの眠る丘。
 ……正直、この風習は馬鹿馬鹿しいと思っていました。王家に生まれた者は生贄になる。ママは病気で死んでしまったから、生贄にはなっていない。
 生贄だと、私は認識しています。
 くだらない風習に勝手に付き合わされ、短い生涯が終わる。
 全部捨てなければならない。家族も、友達も、恋も、夢も、人生も、全部。
 どれだけ苦しいことか、貴方たちにはきっと理解できません。
 木の下で仰向けになって、ママにも別れを告げます。
「もうお参りにはいけない。話せない。私は消えちゃうから。……バイバイ」
 気付けば、涙が流れていました。
 目を閉じて。
 光が遮断されて、真っ暗になりました。
 次の瞬間、光が映りました。
 何だか浮いてる感じ。変な感じ。
 でも、心地いい。
 ーー……。

 ーー翌日には、ロゼッタという存在は完全に消えた。

お題『星に包まれて』

12/30/2025, 11:02:39 AM