朱海

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#2

花嵐、花冷えだな。
暖房入れたよ。
朝のラッシュが終わった電車に乗ったら、おばあさんに“ここ(隣)にお座りなさい”と手招きされた。
僕は次の駅で降りるんだけど、親切は素直に受けた方が良いなと思ったし、何よりおばあさんの気持ちがね(疲れているように見えたのか、僕が可愛かったから←)嬉しかったから。
手招きしてくれるぐらいだからコミュ力の高いおばあさんなんだろうと思って
「お買い物ですか?」と聞いたら
驚いたみたいで(え?なんで?話しは嫌だったのかな)それでも「人と会う」って教えてくれて「それは良いですね」と会話を終わらせた。
この先、僕が降りる駅を過ぎた車窓から川沿いの桜並木が見えるから教えたい気持ちに駆られたけれど、知っているかもしれないから黙っておいた。
それに、もしもおばあさんが知らなければ、それはそれで桜並木を楽しめるしね。
降りる時に「お気を付けて」と言ったら喜んでくれた。
「お気を付けて」も素晴らしい日本語だね。
使うだけで喜んで貰えるんだから。

そして僕の花見。
土手の桜並木には沢山の人がいて
(冬の桜は見に来ないでしょ?)と悪態をつきたくなった。
風に桜が舞っていた。
散り始めかな。
写真は撮らないぞって思ったのに
やっぱり撮っちゃう。
今年も撮るのね。
するとね、ノラさんが桜の木の下に居て、誰も気づいていないのね。
桜とノラさん!
コレは撮らないと!
ノラさんも嫌じゃなさそうで
「こっち向いて」と声掛けたら向いてくれた。
「1人(一匹)で花見しているの?」とか話しかけても嫌がる素振りはなく。
お別れを言って、マユミの木も見に行ったら(引っ越しするとなれば秋は見に行けるかわからないから)
もう1本だけしか残っていなかった。
去年の秋には2本あったのに。
一昨年までは3本あったのに。
可哀想にね。
桜の華やかさも確かに良いけれど
マユミの木の燃える葉の情熱みたいなのも良いんだぞってね。
で、再び桜並木に戻ったらノラさんはまだ桜の木の下にいた。
自転車乗りの女性がノラさんに気づいて喜び隠しきれなかった。
ノラさんはそういうのが嫌だったみたいでサッと去って行った。
少しの時間ノラさんと過ごした僕としては女性に勝てたような気分になった。


陽も長くなったなあ。

1/4/2026, 1:01:35 PM