三日月の妖しく光る夜の下
0時を回った神社の一角
この時間に俺たちの会合は始まる。
周りには、男も女も大勢が集まっている。
「おーい、タマキ〜」
「今日はミオちゃんは一緒ちゃうん?」
幼馴染のカンタとアレンが声を掛けてきた。
ミオちゃんというのは俺が好意を寄せている子だ。
元は清楚なお嬢様だったが俺と仲良くなって、会合に連れてきた日を境に、今は家族の鬱憤を晴らしたいと夜な夜な家を抜け出しているのだ。
しかし、今日はいつもの集合場所に来なかった。
いつも時間ぴったりに来るはずの彼女が珍しいと思いながらも、俺は一人で会合所にきた。
「お前、それで一人で来るのは違うわぁ〜」
「そんなこと言ったてなぁ…あそこのご主人怖いねんもん…」
「泣き言ほざいとる場合か、雄らしくいかんかい」
「万が一のこともあるかもしれんやん?
ミオちゃんの為や」
「そう考えると心配になってきたわ…
いってくる!」
「おう!行ってこい!」
そう言って俺は走り出したいつもミオちゃんが通ってくる道を遡った。
ミオちゃんは、家族にバレないように、とても狭い場所を通ってくる。
俺も体を縮めたり伸ばしたり飛び跳ねたりして足を進める。
そうしてミオちゃんの家に着いた。
二階建ての一軒家。とても広い庭で最初ははいるのもビビりながらだった。
ふと、屋根の上になにかが居る影が見えた。
俺はミオちゃんが教えてくれた登り方で屋根に登ってみる。
ご家族にバレないようにそっと、音を殺して登っていく。
そこには
三日月には明るすぎるくらいの月光に照らされた女の子がいた。
ミオちゃんだ。
全身白くて、手のひらや鼻は火照ったようにピンク色。青色の目は見つめるだけで心が澄んでいきそうだった。
「あれ!?タマキくん!?」
「ミオちゃん!大丈夫?なんかあった?」
「ううん、特に何もなかったけど…
あっ!もしかして今日会合の日だった!?」
俺はコクっと首を振る。
「やだっ!私ったらすっかり忘れてた!ごめんなさい…!」
そう言って頭を下げるミオちゃん。
「いやいや!全然!強制参加じゃないし笑
何かあった訳じゃなくて良かった。」
「本当にごめんね!いらない心配させちゃっ
た…」
「ほんまに全然大丈夫やで!それに…どちらかというと…」
「?」
「…二人きりで入れるの嬉しいし… 」
ミオちゃんは顔を真っ赤にしてた。
でも、嬉しそうな顔をしていたんだと思う。
そしてにっこり笑って、黙って尻尾を絡めてきた。
俺もそれに応えるように、顔を擦り付ける。
三日月が妖しく光る夜。とある一軒家で二匹の恋物語が始まった。
1/9/2026, 2:21:18 PM