衒凪

Open App

その晩、私はやけに不安定な状態だったのだろう。あの時は渋々といった形で友人について行ったのだが、やはり承諾すべきではなかったと思っている。少なくとも私にとっては良いものではなかったのだから。ああでも、私が友人に話したことについては、やはり私自身が錯乱していたと言わざるを得ない。引き留めるために少し強引な手を使ったのも良くなかった。ただ、友人はその後私に対し怒るでも諌めるでもなく、私の力の入りすぎた言動をただ受け流して相槌を打つばかりで、私にはそれが幾ばくか嬉しかったものであった。

[力を込めて]

10/7/2023, 10:15:29 AM