「羽柴と!」
「黒柳の!」
「ドキドキ!本音見つけましょゲ〜ム!」
「帰って。」
目の前で両手を広げ、きらきらと振って華やかに見せた。
また変なことが始まった、美術室のドアを開けた早々にこの光景と遭遇した新島は、二人の間を通り抜けて乾燥棚の方角へ向かう。
描きかけの水彩画、締め切りは来週なのに。
無関心な反応に羽柴と黒柳は顔を見合わせると、そのまま彼女の後ろをつけていく。
「ルールは簡単!今から下校時間まで、僕たちが言うことのなかにひとつだけ本当が混じっています!」
「それを当てれたら先輩の勝ち、外したり答えなかったりしたら私たちの勝ちです!」
「意味がわからないな。」
「え?じゃあ最初からもう一度……。」
「羽柴と!」
「ちょっと待って。」
4/3/2024, 8:43:58 AM