たーくん。

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風が気持ちよくて、お散歩日和の快晴な空。
今日は、なんとなく君の背中を追いたくなって追いかけた。
普段どこへ行ってるのか気になってたし、ただの好奇心だ。
君は、私をどこへ連れていってくれるかな?
私が追いかけてることに気づいたのか、君は歩きながらチラチラと後ろを確認する。
それでも君は走ろうとはせず、同じペースでひたすら歩く。
私は見失わないようについていくのに必死だ。
急に曲がったと思ったら、またすぐに曲がって、狭い路地を通っていく。
こ、こんな道があったなんて知らなかったよ。
私は身体を横にしながら狭い路地を通る。
太陽の光が建物に遮られて暗いから、ちょっと怖い。
だけど君は、ぐんぐん進んでいく。
君って結構勇敢なんだね、と心の中で呟いた。
前へ進むごとに少しずつ明るくなってきて、建物に遮られていた太陽が顔を出す。
路地を抜けた先は……スタート時点だった。
「ニャー」
先に路地を抜けて待っていた君は、私に向かって鳴いた。
多分、「楽しかった?」と聞いているのだろう。
「うん、知らない道を知れて、君と一緒に歩けて楽しかったよ」
私は思ったことを伝えると、君は「ニャー」と嬉しそうに鳴いた。

6/21/2025, 11:18:59 PM