『ずっとこのまま』
呆気なかった。人生の終わり。僕という人間の崩れる瞬間というのは、なんとも無様でまぁなんとも、格好悪く幕を閉じた。それは恋の終わりだった。
全てが順調だと思っていたことが、全て夢で、自分の欺瞞で。そんなものは存在しない。世界から突き放された様な感覚がした。調子に乗ってキラキラしたデートに誘ってみたのだ。帰ってきた返信は「今度みんなで行こうね」。どれだけ恋愛が下手なやつでもわかる。拒絶されたことくらい。僕の存在は彼女の世界には不必要、どころではなく邪魔だったのだと。障害でしかないのだと。僕は不意に自分自身の醜さを直視してしまい悶えた。布団に顔を埋めてえずいた。死にたいとも思った。それから数日後は僕の誕生日だったが彼女からはなんの連絡もなかった。それは恋愛以前に友人としても拒まれたことを示していた。体から泥がとめどなく溢れていく。彼女を神聖化し、自分を罰することでしか自分を保てなかった。最早、綺麗な自分なんていらなかった。
転機はそれから二週間ほど経ったある日。僕を振った彼女から連絡が来た。「今暇?」と。未練を捨てきれない無様な僕はすぐに返した。その誘いは共通の友人と遊んでいるから来ないか。というもので、まるでこの前のやりとりはなんだったのかと思うほどだった。でも、僕からすれば好都合ではあった。このまま、過去の“友人”という関係のまま隣を歩けるのなら僕はもう間違えない。君という支柱を失いたくないから、どんなことでも受け入れる。
ずっと、ずっとこのまま、ずっとこのままの関係でいたいから僕は彼女に会いに行った。
1人の友人として。
1/12/2026, 2:10:41 PM