『香水』
彼の声が好き透き通るような美しい声
彼の表情が好き穏やかでにっこり微笑んでる
彼の性格が好き気遣いが出来て皆に好かれる
彼が好き
初めて私に耀を灯してくれたから
あぁ
彼はどんな声だっただろう。
あぁ
彼はどんな表情をしていただろう。
彼は今どんな身体に変化しただろうか。
彼は私が知っている性格のままだろうか。
彼は今どんな人なんだろう。
新月
人通りの無い道
ぽつんとある街灯とベンチ
とっくに廃線となった線路
木が生い茂った駅
この駅から離れられないと私。
こんな夜は嫌いだ
動物の気配もなく
月明かりもない
街頭が微かに光ってるだけ。
愛しい彼
もうとっくに死んでしまった彼。
私が電車なんかに轢かれなければ
彼と家庭を作ったのに、、、
彼が精神を病むことも無かったのに
ごめんなさい
もう顔も思い出せない
あれから何年経ったんだろうか
今文明はどうなってるかな?
彼が気に入って使ってた鈴蘭の香水
ふんわりと漂う匂い
そのふんわり漂う匂いは
今でも思い出せる唯一のもの
彼は私を迎えに来てくれないのかな?
もう、辛いよ
彼が好き。
もう朝が来る
このまま死んでしまおうか
早朝
花と線香を持った小さな男の子とおじちゃん
二人がお供え物をしてくれて帰る時
微かに鈴蘭の匂いがした
8/30/2024, 7:34:11 PM