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卒業式の日。
みんながみんな泣きながら友人と高校生活最後の日を過ごしているとき。
私は1人涼しい顔をして喋っていた。
「泣かないなんてすごいね。」
と、何人に言われただろうか。
心の中では多分、
『この場の空気を読んで泣くマネぐらいしろよ』
なんてことを思っているんだろうな。

そんな冷めた考えを頭の中で渦巻かせながら、次々とこっちに寄ってくる人達の相手をしてあげる。

ーー疲れてきたし、そろそろ終わんないかな…

そんなことを思っていた時だった。
あなたが…私が1番大嫌いなあなたがこちらにやってきたのは。

『やっほー!』
「今日で最後だね。」
『ねー!あ、自覚したらまた涙が…グスッ』
「あー、泣かない泣かない」
と、ハンカチを差し出すと
『逆になんで泣いてないの〜??』
と、泣きながら言われた。
模範的な回答をする。
「高校生活は終わっちゃうけど、またいつでも会えるでしょ?」

まあ、絶対会わないけど。

だって、私あなたのこと嫌いなんだもの。
世界で1番。

でも、あなたはそれを知らない。だから、
『そうだよね!私たち、1番の親友なんだから!』

ああ、なんて…



愚かな子



まあ、いいや。
どうせこいつとも今日でおさらば
あ、終礼の時間だ。

「終礼の時間だから、教室に戻ろう。」
『うん!』

教室に戻ると、担任含め、私を除く全員が大号泣していた。

あーあ担任、アイメイクが崩れてほぼパンダじゃん。

担任「あなた達と過ごせて本当に良かった。これで私も悔いなく…!」

刹那、教室の至る所から空気が注入されるような音がした。

ザワつく教室
混乱する生徒
狂ったように笑う教師




計画通り。




私はほくそ笑んで用意していたロープを伝って窓から降りた。
地に足が付き、私はロープを勢いよく引っ張って残りの生徒の逃げ道を無くした。


教室の鍵は外からしか開けられない。


これで…



清々しく卒業できるね


私のために死んでくれてありがとう


              2023/9.29 別れ際に











9/29/2023, 9:19:11 AM