鏡を見れば、いつもの自分がいる。しかし、指を重ね、瞳を合わせて
「あなたはだあれ」
と問いかけると、何故か別人が向こうにいる様に感じる。いつもの自分とは。自分が自分であると証明するのは、自分が自分でないと証明することより、遥かに難しい。
そうは思わないかい、キミ。
そう、そこのキミ。不思議そうな顔を浮かべているね。いや、興味深いものを見るような顔かな。
キミは私で、僕はキミ。
なんだかおかしい?そんなひどいや。俺はオレだよ。キミはひどい顔をしているね。どうしたんだい。話を聞かせてよ。無言じゃ何もわからないよ。そんなにアタシに話したくないのかい。悲しいなあ。
ところで、キミの名前は?
今日も鏡に映る誰かに話す。
2024/08/19 #鏡
8/19/2024, 9:01:12 AM