湖楠*

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目を閉じた。

真っ暗な世界に私は色を創造する。

快晴の青、雲の白、唇の赤、瞼裏の黒。

どれだって素敵で、どれだって容易だった。


じゃあ色が無かったらどうだろう。

空も、雲も、人も、夜も。

ありはしない世界、存在を許されない世界。


もちろん私の居場所もないだろう。

立つべき地面も、そこに立つ足だって無い。



だからこそ、自由にわくわくできる。

無色の世界を描くこと。そこに色をつけること。

それはこの世にない唯一の「色」を描けることだと。



私は目を開かない。

開けば、たくさんの色が輝いて見えるから。

これは見ないふりじゃない。

私が立つ地面を、私だけの色を、描くために。


今日も無色の世界を塗り替えていく。

4/18/2024, 4:05:21 PM