寝ても覚めても、悪夢の中にいるような心地だった。 朝、目覚めると、ふたり分の空白がある。世界が、ひび割れ、欠けていた。 いつまで続くのか分からない空白。見たくない癖に、自らの手でエンドマークを押すことも出来ずにいる。 終わらせたくない。いつまでも結末には辿り着きたくない。 真実よりは、終わらない空白の方がマシなんだ。 でも、オレの世界は、閉じたままではいられなかった。 それは、優しい月明かりのせい。
7/10/2023, 10:09:13 AM