《空が泣く》
あるひ ちいさないきものが
あめにふられて こかげであまやどりをしていました
ひろいおそらには たくさんのくろいくも
いつやむのかな
ちいさいいきものは くもったおそらをみながら
おてんきあめのおはなしを おもいだしていました
むかーしむかしに やさしいもりがはなしてくれた おはなしです
あおいおそらが のんびりおひるねをしていました
それをみたかぜが ちょこっといたずらをおもいつきました
そらのまわりに くもをながしてみよう
ふわり さらり そらをくすぐるように
かぜはあつめたくもを めのまえにおいて
くちをすぼめて ふうっといきをはきました
さあっとながれた しろいふわふわのくもが
ねているおそらを くすぐります
さわさわ ふわふわ
やわらかいくもが ねているおそらをなでるように
くすくす うふふ
おそらがねぼけて ちいさくわらいだしました
それをみて たのしくなったかぜは
もっともっとと くもをふきながしました
ふふふ あはは
おそらはめをさましてしまい がまんできずに
おおきなこえで わらいつづけました
すると ずっとわらっていた おそらのめから
じんわり なみだがこぼれだし
ぽつりぽつりと じめんにふりそそいでいきました
こうして ふるのが おてんきあめです
おてんきあめは たのしそうだな
ちいさいいきものは おもいました
くろいくものあめは かぜがおそらにあえなくて ないてるのかな
いまはまだ ひとりのたび
ぼくもいつかは なかまをみつけて
たのしくたびができるかな
いっしょに いろんないろをみて
たのしくわらいあえるかな
ちいさいいきものは あめがはれたら
またたくさんあるいて たくさんのいろをみつけよう
たくさんのなかまをみつけよう
そうおもいましたとさ
9/17/2024, 4:13:46 AM