常に充電切れの携帯電話もLINEも受け取れない。誰かが話したいことも気づかない。存在すら忘れて、都合のいいように目を逸らし、臆病な僕は瞼を閉じた。当然充電するつもりもなくて、真っ暗になって動かない画面を見つめ、ただ、受信に揺れない無音の直方体を、遠ざけた。誰からも分からない嘘を抱え、強がって、偽りの笑みを浮かべ、今日も僕は、誰かを無視した。
9/15/2022, 2:03:29 PM