冷たい風が頬を撫でる。
舞い散る赤や黄、枯れた色が足元へ降り積る。
日差しの熱を奪っていく冷たい風が、どこか寂しい心を連れてくる。
溢れる涙はそのままに、遠く淡くなっていく空を見上げる。生命の色から、眠りゆく色へと変わっていく世界に置いていかれたような心地がどこか物悲しく思えてしまう。
日向から木陰へ。
熱のない場所ではもう冬が息衝いている。
さまざまなものが眠りにつく季節はまだ遠く、けれどもう目の前に。
目覚めを待つ心地でひときわ強い風を受け止めた。
11/14/2022, 2:14:33 PM