こかぴ

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「今日の宿題は作文です!皆さんの大切なものについて作文を書いてみましょう」

放課後、担任の先生がそう告げ全員に2枚ずつ作文用紙を配っている。

「大切なものってなんだろうね」

私と友人は下校しながらそんな話をしていた。
友人も悩んでいる。

幸い、今日は週末なので考える時間は多めにある。
これは週末丸潰れだな…なんて考えながら友人と溜息をつきながら歩いている。

「大切なものって一言で片付けても、色々あるよねぇ…趣味とか、人とか、ものとかさぁー」

「そうだねー。色々あるもんね。でもね、私決めた。私は、、、やっぱり秘密。」

友人の大切なものは秘密にされてしまった。
友人にとって大切なものってなんだろう?人の心配なんかしてる場合じゃないのに。

家に着き、お母さんにも相談してみるが、あんたが一番だと思うものを書いてみなよ!と言われるだけだった。
せっかくの週末を台無しにしたくない私は、さっさと書き終えるため夜更かししながら考えていた。


ゆっくり考える週末も終わり、いざ発表の時が来た。
みんなそれぞれ大切にしていることやものについて話している。
野球やサッカー、本や家族、ゲームの話をしている人もいる。

次は私の番。

「私にとって大切なものは、家族と友人です」

ありきたりかも知れないけど、いつも当たり前にそばにいてくれる家族や友人は私にとっては大切で、かけがえのない存在なのである。

偶然なのか、毎日一緒に登下校している友人も私のことについて作文を書いてくれたようだ。


大切なものは人それぞれ違くて、目に見えないものもあるのだなと知った中学2年生の頃の話。



「大切なもの」

4/2/2024, 6:28:13 PM