蓼 つづみ

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tick… tick…
その古時計は、ひっそり息をつく
いちばん細い針は止まれない速度で進み
子どもの針は光を探すように跳ねる
大人の針は重力をまとい、ゆっくりと

hello!
ほんの一瞬、針たちは重なり、微笑む
でもgood bye…
その笑顔はすぐに吸い込まれ、
互いの存在を確かめてから
盤面を優しく撫でていく

tick… tick…
音は遠く、耳に残る
刻まれた時間の気配には
小さな後悔と、まだ見ぬ希望が絡みつく
触れられない過去と、追いかける未来
子どもと大人の針は、互いにすれ違い
また静かに、それぞれの道を行く

tick… tick…
止まることのない
この世界の中で

題 時計の針

2/7/2026, 3:08:26 AM