とある恋人たちの日常。

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 だいすきなママがつれていってくれた、まっしろなところ。
 ママがはなしていたひとにだっこされたとき、さみしくて、かなしくて、なみだがとまらなくなった。
 
「わあああ、ごめんねぇ!!!」
「やっぱりダメかー!」
 
 ママにぎゅっとしてもらって、あんしんしてなみだがとまる。
 とおいところから、「出っ勤!!」とおおきいこえのおにいさんがきた。
 
「え? 子供?」
 
 おにいさんはびっくりしていたけれど、うーんってしてから、にっこりしてくれた。
 そして、みどりいろののみものに、バニラアイスがのっているのみものをくれた。
 
「クリームソーダだよ〜、飲む?」
 
 おにいさんのめはやさしくて、ママとおなじくらいあったかいきもちになる。
 
 わたしはうなずくと、のみものにてをのばした。
 ママがわたしをだっこしてくれたけれど、おひざにのせてくれた。するとおにいさんは、わたしのめのまえにすわってくれた。
 
「クリームソーダ、好きなの?」
 
 やさしいこえのおにいさん。
 
 わたしはそうだよっていいたくて、うんうんってする。おにいさんは、みどりののみものをゆっくりとのませてくれる。
 
「!!」
 
 しゅわしゅわ!
 あまくてほっぺがとけそう!
 
 うれしくて、のみものをのんでいると、おにいさんはバニラアイスをスプーンにのせてもってきてくれる。
 
 おにいさんのおかおがやさしくて、おいしいってわかるから、あーんした。
 
 おにいさんはだれ?
 
 ママじゃないのにポカポカするの。
 
 のみおわると、ママはわたしをおにいさんにむける。こんどはおにいさんがだっこしてくれた。
 
 おにいさん、あったかい。
 ポカポカする、おにいさんはだぁれ?
 
 はじめてママじゃないのに、あったかいの。
 
 
――
 
 
 うっすらと、残るか残らないかの記憶。
 考えると現実味のないファンタジーの奇跡。
 
 心がポカポカするお兄さんは今、私の大切な人でした。
 
 
 
おわり
 
 
 
二七九、あなたは誰

2/19/2025, 12:51:14 PM