遠い足音
ただいまー
帰宅した我が家は学校の延長のようになっていた
ドタドタガヤガヤ子供達のエネルギーを
抱えきれずに家が悲鳴を上げているかのよう
玄関の靴の数からしてざっと20人
それにしてもすごい数
天井が抜けるわよーと叫んだものの
覗き見しようと2階へあがると
4部屋におさまりきれない子たちが廊下や踊り場に溢れて行ったり来たり
この家に越して間もなくのハプニングだった
夜まで子供達の足音が絶えることはない
それが毎日のように続くものだから
我が家は新設の塾だと久しく勘違いされていた
あれから30年
今、孫のお気に入りが押し入れからのジャンプ
サポーターのばあばは悦にいってもっと遠くへとエールを送る
天井が抜けるわよーやめなさい
一階からママが叫んでる
懐かしいセリフにどれどれと好奇心で下へ降りて来た
トントンドーン確かに家が悲鳴を上げている
が、私には遠い足音が時を超えてもどってきたようで懐かしい
老夫婦2人きりで後何年ここにいられるかしら
そう思うと我が家までもが昔を思い出して喜んでいるようだ
急いで2階へ駆け上がり
今度はばあばがとんでみるからねー
次は一緒にジャンプしようか
新しい思い出を増やすぞー
孫の足音を増幅する様にドンドーン嬉しい悲鳴を上げるこの家
まだまだ現役で勿論、天井は抜けたりしなかったわ
10/3/2025, 7:54:41 AM