もしもタイムマシンがあったなら
コーヒー豆とサラダとハンドソープと焼きプリンと洗濯洗剤とそうめんと食パンとにんじんと豆腐と納豆と小豆アイス買ってきて、ついでに雑誌も買ってきて、と年上の彼女に言われて買ってきた。この炎天下の中。汗だくで。
アイスコーヒーを飲みながら、買ってきた雑誌を広げる彼女。
タイムマシンって無理なんだって。
そうなの?
うん。ここに書いてある。
まあそうなんだろうね。できてたら、未来から誰か来てるはずだからね。
でももしあったらどうする?どっち行く?過去、未来。
もちろん過去。 僕はきっぱりと断言した。
どうして。
過去に戻ってもっと頑張る。
何を。
全部。勉強も運動も仕事もめちゃくちゃ頑張って、めちゃくちゃいい男になる。
すっごく漠然とした答えだね。
めちゃくちゃいい男になって、今度はそっちから付き合って下さいって言わせる。
彼女はちょっとだけ目を丸くし、へえ、そう、と少し頬を緩めながら言った。
できるかなぁ。
うん。絶対惚れさせてやる。
(そうすれば、炎天下でお使いに行かずに済むかもしれないから)
7/22/2024, 10:22:19 PM