鈍色の雲は光が地上を射すのを阻み、人々を少し憂鬱な気持ちにさせる。
そんなハッキリとしない天気の事を文学的に言えばきっと、物憂げな空とでも表すのだろう。
確かに曇天は、快晴よりも人を晴れやかな気持ちにはしないのかもしれない。
でも、快晴ばかりが生き物を幸せをするかと言われると、それは違う。
快晴は生き物にエネルギーを与えてくれるような天気だが、それも長く続けば、日照りを起こす。
地上から限界まで水分を奪い、時には殺人的な暑さを生み出し、刺すような光の眩しさで肌を焼く。
天気はバランスでできている。雨が多く降り注げば、地上は水を受け止めきれずに洪水を起こすし、長く晴れの日が続けば先程言ったような不利益を産む。
そういったバランスを保つ時に、間に挟まり上手い具合に調律を取っているのが、人の気分を晴れやかにするとも言えない曇天だったりする。
――物事は何事も、バランスを保つ事が重要になっていくのかもしれない。
そんな事を、考えた。
――――曇天の意味
お題【物憂げな空】
2/25/2024, 11:33:36 AM