数十年前、異国の地、日本に降り立った私は、まるで新たな世界に咲く一輪の花のようでした。何も知らない土地で、言葉も文化も異なる中、私は必死に根を張り、成長しようとしました。岡山県にある大学で学び、卒業後には母校で働くことになりました。以来、留学生課で17年間にわたり、留学生たちの気持ちを理解し、日本の文化、習慣、そして考え方を指導してきました。同時に子育てと仕事を両立させながら、毎日が忙しくも充実した日々で、時には枯れそうになることもありました。それでも、家族や周りの温かい笑顔に支えられ、一所懸命に歩んできたこの道はいつの間にか、子どもたちは大きくなり、私自身も青春の時を過ぎて、知命の年を迎えました。
家庭の経済状況をしっかり管理しなければならないという不安から、全く異なる分野であるFP3級の試験を受けることを決意しました。勉強を進めるうちに、より深い”知識への欲求”が溢れてきました。忙しい日々の中で毎日少しずつ学び続け、何度も自分の日本語力と専門知識の理解度の限界を感じた私は、まさか2級ファイナンシャルプランニング技能士の国家資格を取得することができるとは思いませんでした。合格証書が届いた時の喜びは、私に自信と勇気を与えてくれました。年齢はただの数字にすぎず、新しいことへの扉はいつでも開かれているのだと実感しました。
そして今年4月からはキャリアサポートセンターに異動し、ライフプランニング分野で学んだ知識を活かして学生の指導に取り組んでいます。日本人学生と留学生のサポートを通じて、自分の知識が少しでも人々の役に立つことに大きなやりがいを感じています。特に母校にいる私の後輩である留学生たちが、卒業後にスムーズに日本社会で活躍できるよう、17年間のキャリア経験とスキル、そして専門知識を活かして、現場の最前線で彼らが望む道に進めるようにキャリアプランと人生設計をサポートしていきたいと考えています。
このような轍を持つ私ですが、謙虚な心を忘れず、新たなチャレンジを楽しみにしています。これからも人生において挑戦と学び続け、自分の可能性を広げながら、人々の役に立つ存在でありたいという強い気持ちで家族と共に歩む未来を信じています。
8/10/2024, 3:15:13 PM