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【 どうして 】

休み時間。
どうしてだろう
君が他の人と話す度、心がもやもやする。
君が他の人と楽しそうにしてるだけで、耳を塞ぎたくなる。
君が他の人に笑顔を向けた時は、あと少しで奪い取ってしまいそうだった。

だめだ、もう考えるのはやめよう

視線を逸らし、自分の席に戻ろうとした。

その時、突然誰かにポンっと肩を叩かれた。
振り返ると先程の君がにこりと笑って立っていた。
何でここに?と戸惑っていると

「嫉妬、した?」

耳に顔を近づけ小声で囁いてきた。確信犯だ。
図星をつかれた僕は直ぐに君から離れ、顔を背ける。

「す、するわけないだろっ」

嘘だ、本当はめちゃくちゃ嫉妬した。おかしくなってしまうくらいに

でも、ここで本当のことを言ってしまえば、君は僕を笑うに違いない。
それは僕のプライドが許さなかったんだ。

今、後ろを振り返れば小悪魔のように微笑む君がいるだろう。
だから僕は絶対に振り向かない

そんな僕の心に気づいたのだろうか
君は少し考えたあと、僕の方に近づいてきて無理やり視線を合わせる。
そして

「意地悪してごめんね」

なんて上目遣いでじっと見つめてきた。
こんなの…ずるい。反則だ。
これで許さないやつなんていないだろ

「…いーよ、別に」

僕は恐らく真っ赤になったであろう顔を隠しながら小さい声で言った。
すると

「!ありがとう」

先程、他の人に向けていた笑顔とは全く違う満面の笑みを君は僕に見せてくれた。

不思議だ。
ついさっきまで嫉妬という感情が頭の中をぐるぐると回っていたのに、今は幸せで溢れてる。
もやもやしていた心が消えて、まるで暖かい春の日差しに包まれているかのようだ。

どうして、君といると色んな感情に振り回されてしまうのだろう。
それは、きっと僕が答えを出すことなんて一生できないのだろうな

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【 after story 】

「あ、そういえば」

「君が嫉妬して泣きそうになってる時の顔、結構可愛かったよ」

「っ!お前絶対反省してないだろ!!」

やっぱり、僕の彼女は常習犯の小悪魔です。

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ちょっとツンデレな男の子と、確信犯の小悪魔ちゃんの話でした。

1/15/2023, 9:51:32 AM