【君と見た景色】
「ほんとに、いいんですか」
「いいよ。出たいなら、出ようよ」
「納得できる勝ち方じゃなかったんです」
無意識に言葉が零れた。
今まで封印していた気持ち。
でも、耐えられなかった。
まだまだ若く、実績もない僕たちが勝っていいわけなかった。
「じゃあ出よう」
「出ます。…でも、これが最後」
「わかった」
やっと決断できた。
目標が決まれば、それを達成する道筋が見える。
あとはその道を走り続けるだけ。
勝てなくてもいい。
報われなくてもいい。
それでもいいから、去年の僕たちよりふさわしい人達が頂点に立ってほしい。
そして、僕たちも頂点に立てるような人物になって見せる。
そう気持ちを新たにして、前を向いた。
fin.
3/21/2025, 9:37:44 PM