逆さま
もしこの人生が逆さまだったらどうだろう。
生まれた家は大きく暖かい広いお家。家族は両親共に優しく働き者で兄弟姉妹に毎日美味しいご飯を食べさせてくれる。家族旅行やお祭りは賑やかで沢山の仲間たちが家族の様に付き合うのが常である。兄弟達も仲良くケンカをしても頼り合い、心配し合う。
それが次第に離れ離れになり、それぞれが孤独の中何処でどう生きているのかもわからない。
年老いた親は淋しい老後を、子供達はそれぞれが何らかの苦労をして、お互いどうしているかも分からずに…。
そう思えば、全て逆さまで良かったと思えるのだ。子供の頃、不遇な時代を生きたからこそ、今のこの人並みの生活が夢の様に思えるのだ。人生の終わりに家族がいて、あたたかくて、心から全てに有り難いと思えるのだから。
逆さまで良かった。
12/6/2024, 4:02:29 PM